工事の完成時に工事の点数(工事評定)が出るかと思います。
昨年度工事で工事評定の高得点をとる事を目的に工事を行いました。
年初に計画を立てて、計画どおり施策を試したら、私が関わった工事20件(昨年度)で平均87.5 点。私が主任技術者、現場代理人で1億円越えの工事で94点を獲得することができた。
立場的に工事の社内検査員として関わっている工事でも高得点が多く出たため再現性の高い施策が打てたと思うのでまとめてみました。
工事評定を上げようと思った理由
最初にですが、昨年度工事評定を上げる施策を実施しようと思ったのには理由があります。
私が勤めている会社は年に一度会社に貢献した社員に表彰される制度があります。
例年、大きな工事や難易度の高い工事が表彰対象になっていました。
しかし、一昨年から評価方針が大きく変更となり、工事評定が高い工事が評価されるようになりました。
当時、私は自身の経験でも一番大きな工事を請け負っており例年であれば表彰対象でした。
そしてしっかり社内表彰を逃しまして、めちゃくちゃ悔しかったんです。
結果、社内表彰を取り返すために工事評定にフォーカスして工事するようにしたのです。
工事評定を上げる作戦を考える
点数を上げるため私はまず作戦を立てることにした。
自分が今まで工事した工事評定を再確認しました。
今まで関わってきた工事の件数が720件、直近100件の工事評定の平均が82点、最高得点は86点。
まあまあ高いと思っていましたが、社内表彰を受けるためには圧倒的高得点が必要。
80点後半あわよくば90点越えを狙っていきたいと考えていました。
作戦を考える上で自分の経験を思い出します。
その中で工事評定をどうやって上げるかを今までの実績で考えていきます。
ただ作戦を考える上でいくつかルールを設けました。
- 無理な提案はしない
- 仕事が滞る施策はしない
- 受注利益を著しく毀損する施策は検討しない
この3点の方針で作戦を検討しました。
作戦①加点方式の項目と減点方式の項目を分ける
工事評定はいくつかの項目で構成されています。
構成項目はこれらになります。
- 施工体制一致
- 配置技術者
- 施工管理
- 工程管理
- 安全対策
- 対外関係
- 出来形
- 品質
- 出来栄え
- 施工条件への対応
- 創意工夫
- 地域への貢献
- 法令遵守
これらの項目に施策を当てて点数を上げようというのが作戦です。
工事を評価する上で「やったら加点する」項目と「ミスしたら減点」する項目と構成項目を分類します。
「ミスすると減点」される項目はこちら
- 施工体制一致
- 配置技術者
- 施工管理
- 工程管理
- 安全対策
- 対外関係
- 出来形
- 品質
「やったら加点する」項目はこちら
- 出来栄え
- 施工条件への対応
- 創意工夫
- 地域への貢献
- 法令遵守
正直「ミスしたら減点」される項目については特別作戦必要なく今までどおりの工事を行なっていけば対応できる項目だと思っています。
逆に「やったら加点する」項目に対して積極的に施策を当てていきます。
作戦②簡単に加点を狙える項目を抽出する。
「やったら加点」する項目に対して加点できるような対策を考えます。
- 出来栄え
- 施工条件への対応
- 創意工夫
- 地域への貢献
- 法令遵守
これらの項目の中で簡単に対応できる項目はこの2つです。
創意工夫と地域への貢献です。
この2つの項目に対して対策を当てるようにしました。
創意工夫への対策
創意工夫への対策はある程度形が決まっています。
NETIS(新技術情報提供システム)の活用です。
国土交通省が新技術をまとめたシステム「NETIS」に乗っている技術を活用しましょう。
とはいえ工事の種類も色々あるし何を使ったらいいかわからない。
おすすめのNETISあります。
それは「現場事務所の監視カメラ」です。
NETIS登録されている監視カメラって結構いっぱいありますし対応がしやすいです。
リース屋さんに聞いて手配してもらって取り付けるのがとてもコスパいいです。
創意工夫はどういう創意工夫をするか事前に施工計画に書く必要があります。
手配できるリース屋さんを調べて取り付けましょう。
地域への貢献
地域への貢献への対策はやれる事は限られています。
- 周辺環境への配慮
- 現場事務所を周りの景観に合わせる
- 工事の進捗を広報誌を配ったりする
- 地域清掃を行う
- 災害時の対応
この項目しか評価されない。
中でも現場事務所を景観に合わせると地域清掃は簡単なので絶対やりましょう。
これもやりますと施工計画に盛り込む必要があります。
現場事務所に関してはリース屋さんに聞いてみましょう。
監視カメラの件もそうですがリース屋さんと仲良くなるのが大事です。
リース屋さんを制する者は工事を制すと言っても過言ではありません。
作戦③ミスを減らす方法
ミスをしたら減点される項目については対応をしっかり行いましょう。
公共建築工事標準仕様書
土木工事共通仕様書
電気工事共通仕様書
を参考にして書いてあることを取りこぼしなく記載することが大事です。
わからないことがあれば各自治体の検査課の方に聞いてみても良いかもしれません。
作戦の水平展開方法
私はこの方法で工事評点を上げる施策を行いました。
そして私が関わった工事の全てで水平展開をする施策が必要でした。
なぜなら社員表彰に複数案件で表彰されようとしていたからです。
「工事評定を表彰のポイントにするならしてみろ俺がいっぱい持っていってやる」という意気込みだったからです。
今年だけで関わっている大型案件が20件全てで85点以上の得点を目指していました。
結果は85点を10案件で上回りました。
結果からわかったこと
施策自体はコスパよく当てることができました。結果として平均87.5点 最高94点を叩き出すことができました。
しかし施策を行なっても85点を超えることがない工事もありました。
85点を超えなかった事例の敗因をまとめました。
- そもそも工程が間に合わなかった
- 施工計画で足りない部分がいくつかあった
- 創意工夫が検査員に伝わりづらかった
- 積算に無理があって金額交渉が顧客とこじれた
- 監督員とめちゃくちゃ揉めた
などがありました。
施策がはまっても解決できない工事もあることが理解できて良い経験になりました。
まとめ
工事評定は計画的に対策すれば高得点は取れます。
みなさんも一度作戦立てて対応してみてください。
簡単に得点アップできる項目は標準化して、後はミスしないようにコツコツ対応してみましょう。
みなさんも一度試してみてください。
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